July 22, 2016

ベトナムにて業務に従事した日数が最終的に183日以内であった場合、非居住者となり非居住者としての個人所得税計算が必要になります。

非居住者の場合は、
非居住者の個人所得税金額=ベトナム源泉所得×20%
と一律の課税が課されます。

ベトナム源泉所得は、ベトナムの労働の結果として獲得された収益または便益の総額となります。
課税が可能かどうかは別として、規程上ではベトナムに滞在していなくてもベトナムの仕事をした場合も、ベトナム源泉所得が発生するとして、その部分についても課税する規定があります。

1)外国人がベトナムに滞在していない場合
ベトナム源泉所得= ベトナム国内向け業務に従事した日数/暦年度での勤務日数合計×年間全世界所得

2)外国人がベトナムに滞在している場合
ベトナム源泉所得=ベトナムでの勤務日数/365日×年間全世界所得

つまり、日本でベトナムの仕事をした場合、ベトナムでも日本でも課税される二重課税の問題が生じることになります。
二重課税を回避するため、日越租税条約15条1項があります。
日越租税条約15条1項では、勤務地を基準に課税の有無を定めています。つまり、日本で働いている場合は、日本に課税権があり、ベトナムでは課税権がないことになります。

ただ、ベトナム税務上では課税対象なので、ベトナム当局が個人所得税を指摘してくることがあります。

例えば、日本法人がベトナム法人に設計サービスを提供しており、契約書に設計者の名前が記載されている場合、その設計者に対する非居住者の個人所得税を指摘してくるということがあるのです。個人名を契約書に記載してしまうと、そのようなリスクが生じます。

このような場合、日越租税条約があり短期滞在者の免税が規定されているので、本来は免税となるべきです。

しかしここでも問題があります。
ベトナム税務上では、この短期滞在者免税は自動的に適用される仕組みではありません。なので、短期滞在者免税を適用したい場合は、短期滞在者免税申請が必要です。

この短期滞在者免税申請がなかなか手間のかかるもので、必要書類が多々あります。
短期滞在者免税申請については、また別の機会に詳細します。



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