July 07, 2016

ベトナムの税法にも基本構造があります。
上位から
・Law(法)
・Decree(政令)
・Circular(通達)
・Decision(決定)
・Official Letter
の5段階です。

Lawは、国会が発行する基本の法律
Decreeは、政府が発行する詳細規程
Circularは、各省庁が発行する実務指針
Decisionは、首相もしくは大臣が発行するCircularのさらに詳細な規程もしくはDecreeやLawに関する特別な取り扱い
Official Letterは、各省庁の管理事務所レベルで発行する個別もしくは特定の実務に関する取り扱い

例えば法人税の場合、以下ような法令があります。(2016年6月現在)ジェトロのHPより
「<主な関連法令>
・法人税法Law 14/2008/QH12
・法人税法Law 14/2008/QH12号の一部を修正および補足する改正法Law 32/2013/QH13
・法人税実施案内に関する政令Decree 218/2013/ND-CP
・改正法人税法および改正付加価値税法の一部の実施ガイダンスに関する政令Decree 92/2013/NĐ-CP
・法人税法の施行ガイドラインに関する通達Circular 78/2014/TT-BTC
・固定資産の管理、使用および減価償却に関する通達Circular 45/2013/TT-BTC
・税務についてのいくつかの項目追加・改正に関する政府発行の2015年2月12日付のDecree 12/2015/ND-CP 
・付加価値税・税務管理・インボイスに関する2015年2月27日付の通達 Circular 26/2015/TT-BTC 
・法人税に関する通達Circular 78/2014/TT-BTC号および通達Circular 119/2014/TT-BTC号の修正・補足に関する2015年6月22日付の通達 Circular 96/2015/TT-BTC (本通達は2015年8月6日発効、2015年度の法人税課税期間以降、適用される)。」

なお、実務上留意すべき点は、ベトナムの実務では法律の基本概念よりむしろ、個別案件であるOfficial Letterに引きずられる傾向があります。各案件ごとに条件や要件が違っているにもかかわらず、過去のOfficial Letterで対処された方法がさも唯一の対処方法であるかのように、固執するところがあり、元の基本概念を失念もしくは逸脱することが、散見されました。

Official Letterはある企業が問い合わせした場合の、当局側の回答のようなものであるため、企業側が提示した条件をじっくり精査しないと、全く同じようにOfficial Letterの見解を利用していいのかはわからないのです。ですので、Official Letterを過信しないことが重要です。

意外とベトナムの方は、意志が固いというか、融通が利かないというか、固執しやすい傾向があるので留意すべきです。ただ、そのおかげでアメリカとの戦争にも勝利したとは思うので、一概に悪いわけではないのですが。

また上位法令を作成している政府高官は優秀な方が多いため、らちが明かないときは地方当局ではなく、少しでも上位機関に問合せや交渉を持っていくのがいいと思われます。その点は、会計事務所に掛け合うべきでしょう。
会計事務所でも担当者だけではなく、納得がいくまでマネージャー、ディレクター、また最後にはパートナークラスの人たちと意見交換をしてください。
何も言わず、理解しようともしなければ、スルーされてしまうので留意すべき点だと思います。





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